アイルランドの伝統と革新が融合した、ティーリング蒸留所が手がける個性派シングルモルト「ティーリング ブラックピッツ」。
ピートを効かせたスモーキーなスタイルは、アイリッシュウイスキーの中でも異彩を放つ存在です。
バーボン樽とソーテルヌワイン樽による熟成がもたらす奥深い味わいと、3回蒸留による滑らかな飲み口をぜひご堪能ください。
本記事では、そんなブラックピッツの魅力を徹底レビューしていきます。
ティーリング ブラックピッツ とは?
ティーリング ブラックピッツは、アイルランドのティーリング蒸留所が手掛けるピーテッドシングルモルトウイスキーです。
アイリッシュウイスキーには珍しいピートスタイルで、ソーテルヌワイン樽とバーボン樽による熟成が、スモーキーさと甘みの調和を演出しています。
フェノール値は約55ppmと高めで、しっかりとしたスモークが楽しめます。
3回蒸留による滑らかさと、樽由来の芳醇なアロマが特徴の一本です。
ティーリング 蒸留所について
ティーリング蒸留所は、アイルランド・ダブリンの歴史的地区リバティーズに2015年開設された、125年以上ぶりの新設蒸留所です。
創設者であるジャック&スティーブン・ティーリング兄弟の祖先は、1782年にアイルランドで蒸留所を設立したウォルター・ティーリング。
そして、クーリー蒸留所がビーム社に買収される前にオーナーをしていた”ジョン・ティーリング”の息子です。
2人はアイリッシュウイスキーのボトラーズとしてブランド力を高めるところからスタート。
アイリッシュウイスキーを支えてきたティーリング家の精神を受け継ぎ、革新的なウイスキー造りを実践しています。
伝統と現代技術を融合させた製造工程では、風味豊かで複雑なアイリッシュウイスキーを生み出しており、冷却ろ過を行わず46度でボトリングするスタイルが特徴です。
蒸留所は「Sustainable Distillery of the Year」など多数の賞を受賞し、観光施設としても人気を集めています。
テイスティングレビュー
公式のテイスティングノート
バーベキュースモーク、クローブ、バタースコッチ、オレンジピール アップルウッドスモーク、蜂蜜、オールスパイス、洋梨の煮込みとパイナップルのグリル。塩キャラメル、ウッド&香ばしいスモーク。
アロマ
バーベキュースモーク、クローブ、バタースコッチ、オレンジピール
フレーバー
アップルウッドスモーク、ハチミツ、オールスパイス、煮込んだ洋ナシとグリルしたパイナップル
フィニッシュ
塩キャラメル、ウッド&香ばしいスモーク
商品スペック

ジャンル | シングルモルトウイスキー |
---|---|
生産国 | アイルランド |
蒸留所 | ティーリング蒸留所 |
メーカー | ティーリング |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 46度 |
価格帯 | 約6,000円~7,000円 |
樽 | バーボン樽、ソーテルヌワイン樽 |
熟成年数 | 非公開 |
アロマ
べっこう飴とリンゴのような甘い香りにスモーキーなアクセント。
何度か嗅いでいると麦わら、バター、オレンジのような香りも感じられます。
フルーティな印象だけど、スモーキーなアロマも感じられ、複雑な印象です。
フレーバー
甘くジューシーな果実のフレーバー。
リンゴ、梨、オレンジピール、ドライポワールなどさまざまなフルーツの印象が感じられ、すっきりとした飲み口です。
シナモンのスパイス香を感じつつ、徐々にスモーキーな香りが広がります。
わずかにソルティでバーベキューの焚き火のような乾いたピート香。
後味には甘みが残ります。
余韻
スモーキーな余韻が程よく残ります。
バランスが良くまとまりのいいフィニッシュ。
薫香がしっかり感じられつつも、フィニッシュは軽い印象です。
総評
90点
しっかりとしたピート香を感じますが、スコッチウイスキーのアイラのシングルモルトに比べると、ピートは穏やかな印象です。
飲み口がすっきりとしているため、穏やかなピート香が絶妙。
そして、余韻のバランスの良さへとつながります。

ストレート

46%のアルコール度数でやや高めですが、ストレートでも飲みやすい口当たりです。
フルーティで軽やかな印象とスモーキーなフレーバーがしっかりと感じられることも魅力。
ピーティなウイスキーをストレートで楽しむ入門ボトルとして最適だと思います。
トワイスアップ

ストレートに比べると華やかなアロマが増します。
薫香もしっかりと感じますが、甘い香りを含んでおり、ややポップな印象。
ストレートに比べて甘みがしっかりと感じられるようになり、口当たりがマイルドで飲みやすくなります。
オン・ザ・ロック

ストレートに比べると華やかでフルーティな印象が際立つように思います。
厚みのあるような焚火のアロマ。
洋梨とシャインマスカットのようなフルーティさとほのかなモルティさ。
氷でしっかりと冷えていてもトロっとした甘みが感じられます。
フレーバーはスモーキーさを中心に白ブドウと麦のニュアンス。
余韻はビターな印象が残ります。
ハイボール

ブドウや青りんごのような果実感。華やかでフルーティな印象が強く、やや薫香は控えめ。
口に含むとフレッシュな果実とスモーキーフレーバーが見事に調和しており、甘みが広がります。
ストレートに比べて飲みやすく、スモーキーさもマイルド。
ハイボールなら料理との親和性もかなり高そうな印象です。
水割り

白ブドウのようなフレッシュな印象のアロマが感じやすくなります。
フルーティで少しだけ薫香を感じる飲みやすそうなアロマ。
口に含むとスモーキーさと苦味が際立ち、フルーティさは少し陰に隠れます。
だんだんと甘い印象とフルーティな香りが現れて、すっきりとした余韻が楽しめます。
ビターだけど飲みやすいイメージの一杯です。
お湯割り

スモーキーさと甘いフルーティな香りがともに増幅。香りが全体的に感じやすくなり、複雑な香りを堪能できます。
口に含むと甘く華やかなフレーバーが広がり、鼻からはスモーキーな香りが。味わいのバランスが良く飲みやすいです。
ピートのスモーキーさはストレートの時より細部まで感じやすく、土っぽさもわかりやすいかも。
余韻まで甘みが残り、飲みやすい一杯です。
ストレート | |
トワイスアップ | |
オン・ザ・ロック | |
ハイボール | |
水割り | |
お湯割り |
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