夏にぴったりの爽やかなカクテルとして人気の「ミントジュレップ」。
アメリカ・ケンタッキー州の競馬文化とも深い関わりを持ち、世界中のファンに愛されています。
本記事では、歴史や由来、基本レシピ、美味しく作るポイントから、バーボンを使った本格的なアレンジやノンアルコール版までをわかりやすく紹介。
パーティーで映える一杯を作りたい方や、ウイスキーカクテルをもっと楽しみたい方に最適な内容です。
ミントジュレップとは

ミントジュレップ(英: Mint Julep)とは、バーボンウイスキーをベースにミント、砂糖、クラッシュアイスを組み合わせたアメリカ生まれの冷たいタイプのロングドリンク(ロングカクテル)です。
競馬のケンタッキーダービーのオフィシャルドリンクとして知られており、アメリカ南部を象徴する一杯として世界中で楽しまれています。
語源は、ペルシャ語の「Golâb(ローズウォーターの意味)」で、もともと「ジュレップ」は、薬の溶媒として使われる甘い飲み物を指す言葉でした。
冷たいカクテルとしては起源が古く、18世紀のアメリカ合衆国南部で誕生したそうです。
最古の文献は1770年のもので、「 The Candidates(ロバート・マンフォードの風刺劇)」やバージニア・ガゼット紙(新聞)に掲載された短い詩に登場しています。
当時のレシピは現在の標準的なものとは異なる場合もあったといわれますが、基本はミントの清涼感と熟成されたスピリッツの芳醇な香りを楽しむスタイルでした。
安井バーボンは後発的で、古いレシピではブランデーが多いみたい。ジュネヴァ(熟成されたジン)を使ったものもあります。
その後、19世紀のケンタッキー州で広まり、競馬の「ケンタッキーダービー」の公式ドリンクとしてバーボンで作られる今のスタイルが確立されました。
クラッシュアイスをたっぷりと盛ったグラスに鮮やかなミントを飾るその見た目は涼やかで、現代ではSNS映えするドリンクとしても人気を集めています。
モヒートやスマッシュとの違い
ミントジュレップと似たようなカクテルに「モヒート」や「スマッシュ」があります。
すべてスピリッツを中心につぶしたミントと砂糖を入れるカクテルです。
| スタイル | ベース | 特徴 |
|---|---|---|
| ジュレップ | バーボンがメイン 熟成された蒸留酒 ワイン | クラッシュアイスを使用 ミネラルウォーターで割る 炭酸水で割ったレシピもある |
| モヒート | ラムがメイン その他アレンジ多数 | ライムやレモンなどの柑橘が入る ソーダで割る |
| スマッシュ | スピリッツ | ジュレップやモヒートほど冷やさない 度数が高く強い |
(参考:アルコログ|カクテルの分類『26分類を一挙解説』、BAR 信天翁(あほうどり)|酒類用語)
モヒートはジュレップスタイルの一種とされていますが、ミントジュレップとの大きな違いはラムベースであることとソーダで割ること、柑橘が入ることです。
基本のミントジュレップレシピ

- ウイスキー 45 ml
- ミントの葉 10 枚
- 砂糖 1 tsp
- ミネラルウォーターまたはソーダ水 90 ml
- 氷
- グラスにミントの葉と砂糖を入れ、軽く潰して香りを出す。
- ウイスキーを注ぎ、氷をたっぷり入れる。
- ミネラルウォーターまたはソーダ水を注ぎ、軽くステアする。
- ミントはスペアミントを使うと爽やかで飲みやすく、ペパーミントを使うと力強い香りになります。
- バーボンはメーカーズマークやウッドフォードリザーブなど、香りのしっかりした銘柄が相性抜群です。
- 氷はできるだけ透明度の高いクラッシュアイスを用意すると、見た目も美しく仕上がります。
ミントジュレップに合わせたいおすすめのバーボン
ミントジュレップといえばバーボン。
バニラ香や樽の芳醇さがしっかりと感じられるタイプのバーボンを使用するとおいしく仕上がります。
ウッドフォードリザーブ
| ジャンル | バーボンウイスキー |
|---|---|
| 生産国 | アメリカ・ケンタッキー州 |
| アルコール度数 | 43% |
| 樽 | 新樽 |
| 熟成年数 | ‐ |
「クラフトの真髄が息づく、バーボンの芸術品」
ケンタッキー州最古の蒸溜所で造られる、少量生産のプレミアムバーボン「ウッドフォードリザーブ」。
伝統的なポットスチルでの三回蒸留、ライ麦比率の高いマッシュビル、イトスギ製の木製発酵槽、独自のトースト&チャー樽など、緻密で手間を惜しまない製法が特徴。
スパイシーさとフルーティーさ、樽由来の甘さが絶妙に調和した味わいは、ストレートからカクテルまで幅広く楽しめ、世界中のバーテンダーから高く評価されています。
クランベリー、オレンジピール、バニラ、シナモンのスパイス香
メーカーズマーク
| ジャンル | バーボンウイスキー |
|---|---|
| 生産国 | アメリカ・ケンタッキー州 |
| アルコール度数 | 45% |
| 樽 | 新樽 |
| 熟成年数 | ‐ |
「手間ひまを惜しまない、クラフトマンの誇り」
ケンタッキー州の自然に囲まれた蒸溜所で、今もなお手作業を貫くクラフトバーボン「メーカーズマーク」。
冬小麦を使用したまろやかな味わいは、創業者ビル・サミュエルズ・シニアの“誰が飲んでも美味しいバーボン”という想いから生まれました。
発酵槽には希少なレッドサイプラス、樽は程よい火入れのアメリカンホワイトオークを使用し、最適な熟成のタイミングで瓶詰め。
赤い封ろうは、今も一瓶ずつ手作業で施されます。
オン・ザ・ロックで丁寧に味わいたい1本です。
バニラやキャラメルの甘い香り、ほのかなオークと小麦由来の柔らかさ
エンジェルズエンヴィ
ワイルドターキー 8年
ミントジュレップのバリエーション
ウイスキーを変えたアレンジ

通常ミントジュレップはバーボンウイスキーを使用しますが、ウイスキーを変えることでアレンジができます。
例えば、ライウイスキーに変更すれば、よりスパイシーでドライな印象のミントジュレップに。
スコッチスペイサイドモルトやアイリッシュウイスキーにすれば、華やかでフルーティなミントジュレップが味わえます。
また、アイラモルトを使用して、スモーキーな癖のあるミントジュレップを味わうのもおすすめ。
漬け込みウイスキーを使えばもっと無限のアレンジが楽しめます。
ぜひ自分なりのミントジュレップを開拓してみてはいかがでしょうか?
ノンアルコールのミントジュレップ
アルコールを避けたい方には、ジンジャーエールやソーダをベースに、砂糖とミントを組み合わせたモクテルがおすすめです。

また、モナンのスモークドオークシロップを使えば、ウイスキーのバニラ香や芳醇さも感じられるノンアルコールのミントジュレップを作ることができます。
ミントジュレップと競馬の関係
ケンタッキーダービーとのつながり
ミントジュレップはケンタッキーダービーの公式ドリンクであり、毎年5月に行われるレースでは35万杯以上が提供されるといわれています。
1938年からケンタッキーダービーと提携してチャーチルダウンズ競馬場によって宣伝されてきました。
金メッキのカップに盛られたこのカクテルは、ダービーの華やかさを象徴する一杯。
アイルランド産のミントを使い、バイエルンアルプス産の天然水、そしてオーストラリア産の砂糖が原料となっています。
ミントジュレップを楽しむための飲み方
グラスやストローの選び方
伝統的にはシルバーカップで提供され、手で持つことで外側に結露ができ、より涼しさを感じられます。
現代ではタンブラーやメイソンジャーでも代用可能。
ストローは短めを使うことで、ミントの香りをより強く感じられます。
ペアリングする料理
ミントジュレップは揚げ物やバーベキュー料理と相性抜群。
フライドチキンやポークリブのような濃厚な味わいを爽やかにリフレッシュしてくれます。
チーズやスモークサーモンとの組み合わせもおすすめです。
ミントジュレップに関するよくある質問(FAQ)
まとめ
ミントジュレップは、アメリカ南部で生まれ、ケンタッキーダービーと共に発展してきた伝統的なカクテルです。
基本のレシピはシンプルですが、バーボンやミントの種類を変えることで多彩な表情を楽しめます。
競馬場での特別な一杯としてだけでなく、自宅でも簡単に作れる点も魅力です。
ぜひお気に入りのバーボンを選び、オリジナルのミントジュレップを作って楽しんでみてください。


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