ウイスキーはアルコール度数40%以上のお酒です。 一方で、日本では37〜39%のウイスキーも見かけます。
- 「なぜ37度があるの?」
- 「46%や度数が高い方が美味しいって本当?」
- 「ロックやハイボールの度数は何%?」
ウイスキーのアルコール度数について、検索して調べる中で疑問に思う方も多いでしょう。
実は、ウイスキーのアルコール度数にはそれぞれ意味があります。
結論から言うと、それぞれ下記の通りです。
- 37%=主に酒税の事情
- 40%=“ウイスキー”の最低基準
- 46%=ノンチルで香味を残しやすい目安
この記事では、ウイスキーの度数がよく“40/43/46%”に集まる理由と、飲み方別の目安までまとめます。
- 日本で37度がある理由は、主に**酒税(税率区分)**の影響
- 40%は主要国で定められる「ウイスキー」の最低度数
- 43%は流通で定着したエクスポートストレングス
- 46%以上は低温でも白濁しにくく、冷却ろ過(チルフィル)を省けるケースが増える
- ただし「度数が高い=必ず美味しい」ではなく、香味の情報量・加水耐性などの傾向として理解するのが正解
ウイスキーのアルコール度数

ウイスキーのアルコール度数は原則40%以上です。
日本では一部、アルコール度数37〜39%の銘柄もありますが、世界基準では「ウイスキー」の最低度数は40%とされるのが一般的です。
上限はボトリング時で概ね65%前後。 いわゆる**カスクストレングス(樽出しに近い原酒の度数)**でも、70%を超えるケースはまれです。
他のお酒とアルコール度数を比較
お酒は大きく3つに分類できます。
- 糖分のある液体を発酵して作る 醸造酒(ビール・ワイン・日本酒など)
- 醸造酒を蒸留して作る 蒸留酒(ウイスキー・焼酎・ジンなど)
- 醸造酒/蒸留酒に糖分・香草・スパイス等で香味をつけた 混成酒(リキュールなど)
ここでは、醸造酒と蒸留酒を中心に比較します。
| お酒の種類 | アルコール度数(目安) |
|---|---|
| ビール | 4〜7% |
| マッコリ | 6〜8% |
| ワイン | 12〜15% |
| 日本酒 | 14〜18% |
| 紹興酒 | 16〜18% |
蒸留酒は理論上、度数を高くできます。
ところが、度数を上げすぎると原料由来の香味が薄くなり「アルコール感だけ」になりやすいです。
そのため、カテゴリごとに“常識的な上限”が形成されています。
ちなみにウイスキーは樽詰めアルコール度数が63%前後であることが多いため、製品としてはアルコール度数が70%以上になることはほとんどありません。
ウイスキーのアルコール度数 ~よくある度数の意味~
店頭でよく見るウイスキーの度数は、主にこの5パターンです。
| よくある度数 | 意味 |
|---|---|
| 37% | 日本の酒税の区分を意識した度数になりやすい |
| 40% | 主要国で定められる「ウイスキー」の最低度数 |
| 43% | エクスポートストレングス(国際流通で定着) |
| 46% | 低温で白濁しにくく、チルフィル不要になりやすい |
| 50%以上 | カスクストレングス(樽出しに近い)など |
なぜアルコール度数37%?
日本で37%のウイスキーが存在する大きな理由は、「酒税(税率区分)」です。
日本の酒税法では、一定の度数を超えると税負担が増えます。
そのため価格を抑えたい銘柄において37%付近に設定されることが多いです。
安井Alc37%の銘柄は、例外なく「スピリッツ」が混ざっています。日本以外では「ウイスキー」と呼ぶことができない銘柄です。
【1kℓに対する酒税額】
ウイスキー・ブランデー・スピリッツ
→37%未満は一律370000円
→37%以上は370000円+1%超えるごとに10000円
(40%の場合、370000円+30000円で400000円)
度数が高いほど美味しい理由

「度数が高いほど美味しい」と言われることがあります。
これはあくまでも傾向として理由があるという話です。
その理由について、一つ一つ解説していこうと思います。
理由1:樽出しに近い状態で飲める(加水が少ない)
ウイスキーは瓶詰め時に、40%前後へ加水されることが多いです。
それには、酒税を下げることやボトリング本数を増やす、飲みやすくするなど様々な理由があります。
一方、樽出しに近い原酒(カスクストレングス)は**50〜65%**程度。
度数が高いボトルほど、熟成中の酒質に近い情報量が残りやすい傾向があります。

理由2:46%以上だと冷却ろ過(チルフィル)を省ける場合が増える
ウイスキーを低温で保管すると、
- 白濁
- フロック(白い浮遊物)
- 澱(おり)
などが出ることがあります。
これを防ぐために行われるのが冷却ろ過(チルフィルタリング)。
ただし、白濁やフロックの原因になる成分には、香味に寄与するものも含まれます。
- 脂肪酸とそのエステル類(パルミチン酸エステルなど)
→フルーティさ、ナッツ様、まろやかな香りなどに関係する成分 - β‐シトステロールとそのグリコシド
→蝋状の成分で、厚みやうまみ、複雑さに関係する成分
46%以上になると低温でもそれらが溶けやすく、 チルフィルをしなくても外観が安定しやすいとされます。
ここが肝
46%=「香味を削らずに出しやすい」設計の目安

理由3:香り成分が“乗ったまま”になりやすい
香りは揮発成分の集合です。
水に溶けている状態とアルコールに溶けている状態では、香り成分の残り方が違います。
アルコール度数が高いほど、香りに関係する成分が揮発しにくく、液中に残りやすいことが多いです。
度数が高い=刺激が強い一方で、 「水を足したときに香りが開く(加水耐性がある)」銘柄が多いのも事実。
そのため、46%以上は加水による変化が楽しめる飲み方がしやすい層といえるでしょう。
こうした「少量の水で香りの変化を楽しむ」飲み方として、トワイスアップというスタイルもあります。
ウイスキーのアルコール度数は高い理由(蒸留のしくみ)

ウイスキーは蒸留酒です。
蒸留は、沸点の差を利用して混合液を分離する工程。
- 水:100℃
- エタノール:78.3℃
この差を利用して、発酵液(もろみ)からアルコール濃度を高めます。
アルコール度数 7~8%程度
アルコール度数 65~70%
アルコール度数 63%前後
アルコール度数 40~68%程度
樽詰め時に63%前後へ調整されるのは、 樽由来成分の抽出と溶け込みのバランスが取りやすいとされるためです。
飲み方別のアルコール度数(計算の目安付き)

「ウイスキーは強いから不安」という人でも、割り方で度数は大きく変わります。
ここでは40%のウイスキーを例に目安を出します。
| 飲み方 | アルコール度数の目安(40%の場合) |
|---|---|
| ストレート | 40% |
| ロック | 40%(氷が溶けると低下) |
| トワイスアップ(1:1) | 約20% |
| ハーフロック(原酒:水=1:1+氷) | 約20%(さらに溶けると低下) |
| 水割り(1:3目安) | 約10%前後 |
| お湯割り(1:3目安) | 約10%前後 |
| ハイボール(1:3〜1:5+氷) | 約6〜10%(溶け方で変動) |
- 度数(%)= 元の度数 ×(ウイスキー量 ÷ 全体量)
例:40%のウイスキー30ml+炭酸120ml(1:4)
- 全体150ml
- 40 ×(30/150)= 8%
安井体感としては、ハイボールや水割りはワイン・日本酒に近いか、むしろ低いこともあります。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- 37%:日本の酒税設計の影響を受けやすい
- 40%:主要国での「ウイスキー」最低度数
- 43%:国際流通で定着した度数
- 46%:低温で白濁しにくく、ノンチル設計になりやすい
度数は“強さ”だけでなく、香味の残り方や飲み方の自由度にも関係します。
まずは、
- 46%を少量加水で試す
- ハイボールを1:3〜1:5で度数を把握する
この2つだけでも、ウイスキーの楽しみ方は一段深くなります。


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