富士御殿場蒸溜所で長年磨かれてきた多彩な原酒を主体に、日本の食文化に寄り添う“きれいな味”を追求した「キリンウイスキー 陸」。
その味わいをそのまま楽しめる数量限定の「キリンウイスキー 陸 ハイボール」が今年も登場しました。
陸の特長である黄桃・青リンゴ・オレンジのような柔らかな甘い香り、そして澄んだ口あたり。
これらの魅力を崩さず、ウイスキーと炭酸のみで仕上げたシンプルかつ上質な一缶です。
ノンチルフィルタードによる旨味を活かした原酒を使い、世界最優秀ブレンダー(2017)・田中城太氏の技術が光るバランス設計。
本記事では、料理人視点で「陸ハイボール」の味わい・香りの層を詳しくレビューしていきます。
「キリンウイスキー 陸 ハイボール」とは?
「陸ハイボール」は、キリンウイスキー陸を100%使用した数量限定のハイボール缶。
富士御殿場蒸溜所の原酒を主体に、厳選した海外原酒も一部ブレンドしたことで、華やかさとクリーンさを兼ね備えた味わいが実現しています。
●ネーミング
「陸(Riku)」は、富士山麓の自然が育む伏流水と、冷涼な気候が生む澄み切った味わいを背景に生まれたブランドです。
約50年かけて磨かれた伏流水、濃い霧と清らかな空気という恵まれた環境、そして職人たちが受け継いできた技と情熱が、この“きれいな味”を形づくっています。
日本の食文化に寄り添いながら、ほのかな甘い香りと澄んだ口あたりを追求したウイスキーとして名付けられました。
●特徴
富士山の伏流水がもたらす澄み切った透明感を土台に、ノンチルフィルタード製法によって原酒の旨味をしっかりと残した造りとなっています。
陸の魅力は、フルーティさとクリーンな飲み心地を軸にまとめ上げていること。
これらの要素を統合しているのが世界最優秀ブレンダーに輝いた田中城太氏の技術です。
繊細さと華やかさが自然と共存する味わいへと仕上げられています。
蒸留所紹介(富士御殿場蒸溜所)
富士御殿場蒸溜所は1973年、静岡県御殿場市で創業したキリンのウイスキー蒸溜所。
キリンビールにバーボンやカナディアンのシーグラム社、スコッチウイスキーのシーバスブラザーズ社の3社が集結し誕生しました。
バーボンやカナディアンタイプのグレーン、スコッチタイプのグレーンとモルトウイスキーが作れる世界でも珍しい蒸留所となっており、数々の賞を受賞。
現在では日本トップクラスの多彩な原酒づくりを手掛けています。
●熟成環境の特徴
富士山麓の冷涼な気候は年間を通して低温かつ多湿。
そのため、樽の呼吸がゆっくりと進むことから、原酒はにごりのない透明感を保ったまま穏やかに熟成していきます。
この静かな環境により、フルーティな香味を損なわず、樽由来の甘く落ち着いた香りを時間とともに丁寧に深められています。
また、富士山に降り積もった雪が約50年かけて大地に磨かれた伏流水を使用。
超軟水ならではの柔らかな質感をもたらし、陸特有の“澄み切った口あたり”の根幹となっています。
雄大な自然環境と水の恵みは、陸のクリーンでやさしい味わいを支える重要な要素ですh。
●代表ブランド
- 富士 シングルグレーン
- 富士 シングルモルト
- 富士 シングルブレンデッド
- 富士山麓 シグニチャーブレンド
- キリンウイスキー 陸
など、多様なラインナップを展開。
●製造哲学
「富士の自然をそのままグラスへ」
富士御殿場蒸溜所では、発酵・蒸留・熟成・ブレンドまでを一貫して行うことで、富士山麓が持つ個性を最大限に引き出しています。
冷涼な気候が育むクリーンな酒質、伏流水がもたらす柔らかい口あたり、そして職人たちの確かな技術が重なり、一滴一滴に富士の自然そのものが映し出されるようなウイスキーが生まれます。
この一貫製造体制は、品質の安定だけでなく、陸が持つ“きれいな味”を成立させる核となっており、自然と人の技が調和した独自の味わいを形づくっています。
■商品スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | ウイスキーハイボール(陸100%使用) |
| 生産国 | 日本 |
| 蒸留所 | キリン富士御殿場蒸溜所 |
| メーカー | キリンビール |
| 容量 | 350ml |
| アルコール度数 | 7% |
| 価格帯 | 参考価格:税込200円台前半(予定) |
| 樽構成 | 多彩なモルト&グレーン原酒(ノンチル製法) |
| 熟成年数 | ノンエイジ |
■テイスティングレビュー

●色
淡い麦色。ソーダの泡が軽快に立ち上がり、透明感のある印象。
●アロマ
ソーダによって香りがふわりと開き、モルティな穀物感とフルーティな印象が軽やかに広がります。
青リンゴとレモンを中心としたフレッシュな酸を伴う果実香に、白い花とバニラが与える柔らかな甘さ。
さらに、ハーブの涼やかさが香り全体の輪郭を引き締め、クリーンで透明感のある立ち上がりを感じさせます。
●フレーバー
果実味がしっかりと残り、青リンゴやレモンピールが爽やかに広がります。
白い花やハーブがフローラルで涼やかなニュアンス、ハチミツの柔らかい甘味。
フルーティで軽快ながらも味の厚みは失われず、“陸らしい層”がしっかりと感じられます。
●フィニッシュ
フルーティな香味が優しく続き、花のニュアンスが穏やかに残るフィニッシュ。
青リンゴや白い花の柔らかな香りが静かに漂い、ソーダの軽快さをまといながら滑らかに伸びていく印象です。
刺激感は控えめで、ハイボールでありながらウイスキー本来の層がしっかりと感じられます。
繊細で丁寧に整えられた余韻。
飲み終わりまで“きれいな味”の世界観が保たれ、食事と合わせても邪魔をせず、自然に寄り添う後味となっています。
■総評(★点数)
香りと味の層が崩れず、フローラル&フルーティなキャラクターが美しく際立つ一本です。
陸の特徴である“きれいな味”が缶でもしっかりと保たれており、軽やかな飲み心地でありながら、原酒由来の旨味と厚みが確かに感じられます。
フルーティで華やかな印象と、クリーンで透明感のある後味が調和。
デイリーに楽しめる完成度の高いハイボールです。
安井ハイボール缶として親しみやすさがありつつも完成度が高い一本だなと感じました。
■まとめ
「キリンウイスキー 陸 ハイボール缶」は、陸が持つクリーンさ、フルーティさ、そしてやさしい甘味をそのまま引き出した、品質を重視したハイボールです。
富士山麓の自然が育んだ透明感のある酒質はソーダで割っても崩れず、華やかな香りと爽やかな果実味が心地よく広がります。
食事と合わせても邪魔をせず、和食から中華、洋食ま幅広く合わせることができるでしょう。
デイリーに楽しめる軽快さを備えながら、缶としてはトップクラスのコストパフォーマンスを誇ります。
軽やかで飲みやすい一方、香りの層も楽しみたい方に特におすすめしたい一本です。


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