200年以上にわたりブレンデッドスコッチの世界を牽引してきたジョニーウォーカー。
その伝統と革新を現代的に再解釈した新たな表現が「ジョニーウォーカー ブラックルビー」です。
ブラックラベルの“甘味とフルーティさ”に焦点を当て、蜂蜜のような濃厚さと赤系果実の華やかさを大胆に引き出したモダンスタイルとなっています。
40%という親しみやすい度数ながら、ワイン樽とバーボン樽由来の奥行きがあり、日常飲みからカクテルベースまで幅広く対応します。
本記事では、ウイスキー専門の料理人としての視点から、ブラックルビーの構造・味わい・飲み方別の適性を整理します。
■ ジョニーウォーカー ブラックルビーとは?
「ジョニーウォーカー ブラックルビー」は、スコットランド産原酒を用いたブレンデッドスコッチウイスキーです。
ネーミングに用いられている“Ruby(ルビー)”は、赤系果実やワイン樽由来の色調とフレーバーを象徴しており、本ボトルのキャラクターを端的に表しています。
ブラックラベルが持つ甘味とフルーティさをより明確に打ち出した設計で、赤ワイン樽やPX系シェリー樽を思わせるニュアンスが味わいの軸を形成。
- ベリー系果実の華やかな甘酸味
- ハチミツのようなコクのある甘さ
- 穏やかなスモークが重なる
全体としてバランスの取れたモダンなブレンドに仕上がっています。
■ ブラックボトル(ブラックラベル)との違い
ジョニーウォーカー ブラックルビーは、同じブラックラベル系譜に属しながらも、方向性は明確に異なります。
ブラックラベルがさせた“王道のバランス型”であるのに対し、ブラックルビーは甘味と赤系果実に重心を置いたモダンな設計です。
ジョニーウォーカー ブラックラベル
~王道のバランス型~
- 12年以上熟成の原酒のみ使用
- ドライフルーツや柑橘、青リンゴのような爽やかな果実味
- バニラのコク
- モルトの香ばしさ
- ほのかなスモーク
ジョニーウォーカー ブラックルビー
~モダンな設計~
- ハチミツのような甘み
- ベリー系の赤い果実のニュアンス
- 赤ワイン樽やPX系のシェリー樽
- 甘みと果実味を支える脇役程度のスモーク
また、同系統でよりスモーキーさを強調したダブルブラックと比べると、ブラックルビーはピート感を抑え、飲みやすさと華やかさを重視したポジションにあります。
ブラックラベルやダブルブラックが“伝統的なスコッチらしさ”を楽しむボトルであるなら、ブラックルビーはより現代的で、甘口・フルーティ志向の飲み手に向けた一本といえるでしょう。
■ 商品スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | ブレンデッドスコッチウイスキー |
| 生産国 | スコットランド |
| ブランド | ジョニーウォーカー |
| 容量 | 700ml |
| アルコール度数 | 40% |
| 樽構成 | 赤ワイン樽、バーボン樽ほか |
| 熟成年数 | NAS |
| 価格帯 | 比較的入手しやすいミドルレンジ |
■ 公式テイスティングノート
- 香り
-
甘いフルーツにほのかなスパイス
- 色艶
-
赤に輝く黄金色 なめらかで流れるようなブラウンのサテン生地。
- 味覚
-
大胆なベリーと深みのある甘味に包まれたリッチなフルーティさ
- 後口
-
ワイン樽とバーボン樽熟成による滑らかな甘みに繊細なスモーク
■ テイスティングレビュー(料理人視点)
● 色
グラスに注ぐと、赤味を帯びた濃い黄金色が広がります。
赤ワイン樽由来の要素を想起させ、視覚的にも甘さと熟度を予感させる印象です。
● アロマ
レーズンの甘やかな香りとバニラの柔らかな甘さが穏やかに立ち上がります。
そこに若い硫黄感がほのかな刺激を添え、続いてピート由来のスモーキーさがゆっくりと広がる。
もみ殻を思わせる乾いたニュアンスが奥行きを与え、ラズベリーやカシスの赤い果実が生む瑞々しさが軽やかな彩りを演出。
最後に、ハニーヘザーの蜜を思わせる甘い草花のニュアンスが口中に穏やかに広がり、複雑で表情豊かな印象を残します。
● フレーバー
口に含むと、オレンジピールのほろ苦さとライムの鋭い酸が立ち上がり、広がるブルーベリーやラズベリーによる赤紫の果実感。
続いて、チェリーやレーズンがもたらす甘味が奥行きをつくり、プルーンの濃厚な旨みが重なっていきます。
そこへ溶剤を思わせる揮発的なニュアンスとペッパーのアクセント。
ピートスモークが静かに立ち上がり、落ち着いた煙香が口中に溶け込むように広がります。
● 余韻
レーズンの甘やかなコクとベリー系フルーツがもたらす穏やかな酸が静かに広がります。
ほのかに感じる苦みが味わいに陰影を与え、甘酸っぱさとの対比が心地よいバランス。
全体として派手さは抑えめながらも、優しい渋みと果実の名残が寄り添い、落ち着いた満足感をもたらす余韻です。
■ 総評
90 / 100 点
| 評価項目 | 評価 |
| 香り | ★★★★☆ |
| 味わい | ★★★★★ |
| 余韻 | ★★★★☆ |
| 完成度 | ★★★★★ |
| 価格帯評価 | ★★★★☆ |
濃い黄金色が語るとおり、赤ワイン樽やペドロヒメネス樽によって育まれた豊かな果実味と深い甘味が、複層的に広がる一本。
レーズンやラズベリー、カシスといったベリー系のフレーバーが力強く印象づけられ、樽由来のタンニンのニュアンスやワイン香が、全体を支えるしなやかな骨格となっています。
バニラやハニーヘザーの柔らかな甘さに、スパイスや溶剤的な鋭さ。
若い硫黄感やピートスモークが複雑さを添えるアクセントとして作用しています。
赤ワイン樽とPX樽の特徴が明確に表現され、果実・甘味・スパイス・スモークが調和しながら展開する、飲み応えと個性を兼ね備えた仕上がりです。
■ 飲み方別レビュー(要点整理)
| 飲み方 | おすすめ度 | コメント |
| ストレート | ★★★☆☆ | 構造や原酒の個性を確認するのに適した飲み方。果実味は魅力的だが広がりは控えめ。 |
| トワイスアップ | ★★★★☆ | 香りが大きく開き、ベリーやスパイスが際立つ。アロマ重視で楽しみたい場合に好適。 |
| ロック | ★★★★★ | 甘味と質感が最も安定し、スモークとビター感のバランスも良好。完成度が高い。 |
| ハイボール | ★★★★★ | 果実味と軽いスモークが調和し、日常飲みとして最適。ブラックルビーの真価が最も発揮される。 |
| 水割り | ★★★☆☆ | 軽快で飲みやすく初心者向け。穏やかな反面、飲み慣れた層には物足りなさも。 |
| お湯割り | ★★★★☆ | 甘味と果実が柔らかく広がり、寒い季節に好相性。リラックスタイム向き。 |
● ストレート

ストレートで味わうと、レーズンやカシス、ブルーベリーといった黒赤系ベリーの甘酸味がしっとりと立ち上がり、バニラや蜂蜜を思わせる柔らかな甘さが穏やかに広がります。
ピート由来のスモーキーさともみ殻の乾いたニュアンスが奥行きを与え、揮発的な刺激が味わいにシャープな輪郭。
中盤にはチェリーやレーズンの果実味、プルーンの濃厚な甘旨さが厚みを生み、スパイスが全体を引き締めます。
構成は魅力的ですが、広がりは比較的早く落ち着き、ブレンデッドらしい軽快さが感じられる味わいです。
● トワイスアップ
トワイスアップにすると、モルティな穀物香を土台に焼きたてのパンを思わせる甘い芳ばしさが広がり、ラズベリーやカシス、梅の赤系果実が鮮やかな酸を添えます。
口に含むとオレンジの明るいシトラスに続き、ピートとスモークが骨格を形成し、ベリーのコンポートのような甘酸味。
スパイスと清涼感が調和し、香りの拡散を楽しめる飲み方です。
ところが、構造全体の広がりという点ではハイボールのほうが持ち味が活きやすく、ポテンシャルのピークは別の飲み方にあると感じられます。
● ロック

ロックにすると香りの輪郭が落ち着き、フルーティさを軸にフスマの穀物香、アンズやレーズンの丸み、バラを思わせるフローラルが柔らかく重なって広がります。
味わいはピート由来の骨格に、ベリーの鮮やかな甘酸っぱさが折り重なり、レーズン由来の甘旨味とねっとりとしたテクスチャー。
スモークや焚き火のニュアンスが奥行きを与え、ナツメグやダークチョコレートのビター感が後半を引き締めます。
ロックならではの甘さと質感が際立つ、満足度の高い飲み方です。
● ハイボール
ソーダ割りにすると香りが一気に開き、ミカンやラズベリー、チェリーの明るい果実感に、干しアンズやバニラの柔らかなコク。
味わいはモルティさを基盤に、イチゴやミカンの甘酸味が爽やかに広がり、焚き火を思わせる穏やかなスモークが軽快な構成に奥行きを与えます。
全体としてクリアで飲みやすく、フルーティさの中に控えめなスモークが影のように寄り添い、日常飲みとして完成度の高い仕上がりです。
● 水割り

水割りにすると香りがすっきりと整い、チェリーやラズベリーの果実感に白い花やクローブ、ナツメグ、ヘザーハニーの柔らかなニュアンス。
味わいは焼きたてのパンを思わせるモルトの温もりを軸に、アンズやレーズンの甘酸味、スミレやヘザーのフローラルが軽やかに展開します。
スモークやビターチョコレートは控えめで、全体のトーンはさらりとして飲みやすいです。
後半にはモルト由来のほのかな甘さと粉感が穏やかに残ります。
初心者には親しみやすい一方で、飲み慣れた方には軽快さが際立つ仕上がりです。
● お湯割り
お湯割りにすることでモルトと果実の香りが柔らかく開き、小麦粉や焚き火を思わせる温かいニュアンスが寄り添います。
ラズベリーやイチゴ、アンズ、レーズンのフルーツ層に、バニラと蜂蜜の甘やかな丸みが加わり、湯気とともに立ち上がる香りは非常に心地よい印象です。
味わいはモルティさを軸に、レモンやオレンジの柑橘、ベリーやドライフルーツ、ジャスミンやヘザー、タイムなどのハーブ、さらにカルダモンやサフランのスパイス。
余韻はフルーティで明るく、イチゴやアンズのニュアンスが優しく続き、甘く飲みやすく感じます。
寒い季節におすすめの温まる一杯です。
■ まとめ
ジョニーウォーカー ブラックルビーは、ブラックラベルの系譜にありながら、甘味とフルーティさを明確に前面へ押し出したモダンなブレンデッドスコッチです。
赤ワイン樽やPX系シェリー樽を思わせるベリー感と蜂蜜のようなコクが味わいの軸となり、そこへ穏やかなスモークが重なることで、親しみやすさと奥行きを両立しています。
飲み方による表情の違いもはっきりしており、特にハイボールやロックでは果実味・甘味・スモークのバランスが最も整い、本ボトルの完成度の高さを実感できます。
一方で、水割りやお湯割りでは軽快さや柔らかさが際立ち、シーンに応じた楽しみ方が可能です。
甘口・フルーティ系のブレンデッドスコッチを探している方はもちろん、ブラックラベルから一歩違う方向性を試してみたい方、日常的に楽しめる一本やリラックスタイム向けのウイスキーを求める方にも適したボトルといえるでしょう。
デイリーにもカクテルベースにも対応する、現代的で使い勝手の良い一本です。


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