広島県・廿日市市の桜尾で100年以上にわたり蒸留技術を磨いてきたサクラオブルワリーアンドディスティラリー。
その新ブランドとして登場したのが、ブレンデッドジャパニーズウイスキー「SOGAINI(ソガイニ)」です。
日本洋酒酒造組合が定める「ジャパニーズウイスキー」の表示基準に合致した本格派でありながら、参考小売価格は税抜2,000円台という手に取りやすい価格帯。
海沿いの桜尾貯蔵庫と山あいのトンネルを活かした戸河内貯蔵庫という、対照的な環境で熟成された原酒をブレンドすることで、力強さと繊細さ、フルーティーな香りを両立させた1本です。
本記事では、ウイスキー専門の料理人としての視点から「SOGAINI(ソガイニ)」の基本情報や特徴を整理し、後半でテイスティングコメントや飲み方別レビューをまとめていきます。
SOGAINI(ソガイニ)ブレンデッドジャパニーズウイスキーとは?
「SOGAINI(ソガイニ)」は、日本・広島県のサクラオブルワリーアンドディスティラリー(SAKURAO Brewery & Distillery)が手掛けるブレンデッドジャパニーズウイスキーです。
SOGAINI(ソガイニ)は、広島弁で“そんなに!?”を意味する名にふさわしく、香り・味わい・品質・価格のすべてに驚きを詰め込んでいるそう。
2025年10月1日に全国発売され、自社で発酵・蒸留・熟成したモルトとグレーン原酒のみを使用した本格仕様。
海沿いの桜尾貯蔵庫と、山あいの戸河内トンネル貯蔵庫という対照的な環境で育った原酒をブレンドすることで、複雑で奥行きある風味を実現しています。
モルト比率が高く、フルーティーで華やかな香りが特徴で、チョコレートのような甘味と熟した柑橘の柔らかな酸味が調和。
余韻にはシトラスとスパイスが心地よく残り、爽快感のあるフィニッシュへとつながります。
「国産原酒100%」「ジャパニーズウイスキー表示基準クリア」という本格仕様でありながら、日常的に楽しめる価格帯に収めた“デイリードリンキング向けジャパニーズブレンデッド”という位置づけの1本です。
安井角瓶やブラックニッカへの挑戦って感じですね!
サクラオブルワリーアンドディスティラリー(桜尾蒸留所)について
サクラオブルワリーアンドディスティラリー(SAKURAO Distillery)は1918年に広島県廿日市市で創業したスピリッツメーカーです。
「中国醸造株式会社」が前身で2021年3月9日に社名変更し、「株式会社サクラオブルワリー&ディスティラリー」へ変更しています。
100年以上にわたり清酒・焼酎・リキュールなど多彩に酒造技術を磨いてきた老舗蒸留所です。
2017年にはウイスキーとジンに特化した「SAKURAO DISTILLERY(桜尾蒸留所)」を新設し、広島の海と山という対照的な自然環境を活かしたウイスキーづくりに取り組んでいます。
本社・蒸留所は桜尾一丁目に位置し、海と山という対照的な熟成環境を活かした原酒づくりが大きな特徴。
| 桜尾 | 戸河内 |
|---|---|
| 瀬戸内海沿い | 旧鉄道トンネル |
| 潮香 寒暖差が激しい 熟成が早い | 冷涼で湿度安定 静かな熟成 |
代表作にはシングルモルト「桜尾」「戸河内」、広島産ボタニカルを使った「SAKURAO GIN」などがあり、「伝統と革新で広島から世界へ」を掲げた独自の酒造りを展開しております。
自社一貫生産による高い品質管理も特徴。
蒸留所見学ツアーも実施中です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創業年・場所 | 1918年創業/広島県廿日市市桜尾1-12-1 |
| 主な製品 | シングルモルト「桜尾」「戸河内」、SAKURAO GIN |
| 製造哲学 | 伝統×革新、自社一貫生産による高品質設計 |
| 見学 | 蒸留所ツアーあり(要予約) →ツアーページはこちら |
商品スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | ブレンデッドジャパニーズウイスキー(モルト比率高め) |
| 生産国 | 日本(ジャパニーズウイスキー表示基準に合致) |
| 蒸留所 | SAKURAO DISTILLERY(桜尾蒸留所 |
| メーカー | 株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー |
| 容量 | 700ml |
| アルコール度数 | 40度 |
| 価格帯 | 参考小売価格:2,000円(税抜)/実売 約2,000〜2,300円前後(税込) |
| 樽構成 | 公式には明記なし(複数の樽種を用いたモルト&グレーン原酒のブレンド) |
| 熟成年数 | NAS(ノンエイジ表記) |
※樽構成については、公式情報に具体的な樽種の記載がないため、ここでは一般的な説明にとどめています。
安井熟成年数について明確な記載はないですが、基準を満たしているということは3年以上は確定ですね!
公式テイスティングノート
※以下は公式サイト等に基づくテイスティングノートです。
| アロマ | バナナ、バニラ、オレンジ、ローズマリー |
| フレーバー | チョコレートのような甘味、熟した柑橘のやわらかな酸味 |
| フィニッシュ | 熟感のあるシトラスの甘味と酸味の後に、スパイシーな香味が爽快感を増幅 |
テイスティングレビュー
■色
やや薄めの黄金色
■アロマ
麦の素朴な甘みを土台に、オレンジピールやレモンゼストのような軽やかなシトラスがふわりと立ち上がります。
トップノートには若い原酒らしいアルコールの刺激が残るものの、その奥にはバニラビーンズや軽く焼き色をつけたシナモン、ブラウンシュガーのような香ばしい甘み。
香り全体にコクと奥行きがあります。
■フレーバー
口当たりは柔らかく、広がり方は華やか。
ミントやタイムを思わせる清涼感のあるハーブのニュアンスがまず立ち上がり、続いて樽由来のウッディな旨みがゆっくりと顔を出します。
わずかにニューポットに近い硫黄系のニュアンスが残るものの、それが逆に素材の若々しさとして作用し、フレッシュで軽快な味わいに。
ハーブと木の香味が程よく重なり、シンプルながらも彩りのある味わいが印象に残ります。
■余韻
ほのかな甘みを含んだ余韻が静かに続き、バニラやスパイスを思わせるウッディな香りが舌の上に心地よく残ります。
後半には原酒の若々しさ由来のわずかな荒々しさが顔を出し、複雑さと鮮やかな切れ味の両方を演出。
甘み・木の香り・スパイスが重なり合いながら、すっと引いていく後味が印象的です。
総評(★点数)

香り・味わい・余韻のいずれも、価格帯を考えると非常にバランスが良く、丁寧に仕上げられた1本だと感じました。
一方で、若い原酒らしい粗さや余韻の深みに物足りなさがあり、全体として熟成年数の短さがわずかに顔をのぞかせます。
ただ、その若々しさが軽快さにもつながっており、ストレートでも十分楽しめるものの、ソーダや水で割ったときに香りと甘みのバランスが整い、このウイスキーの良さがより引き立つ印象です。
デイリーに気軽に楽しむブレンデッドとして、完成度の高い仕上がりだと思います。
飲み方別レビュー
| ストレート | |
|---|---|
| トワイスアップ | |
| オン・ザ・ロック | |
| ハイボール | |
| 水割り | |
| お湯割り |
●ストレート

ストレートでは原酒の個性が最もダイレクトに伝わり、力強さと若々しい鋭さが同時に顔を出します。
アロマはフルーツの華やかさを感じつつも、アルコール刺激が前面に現れ、他の飲み方に比べ香りの開きはやや控えめ。
フレーバーはチョコレートや柑橘の甘酸がしっかりと伝わり、時間経過で少しずつ柔らかさが出てくるのが魅力です。
他の飲み方と比べると“素材をそのまま味わう”という意味で最も情報量が多い飲み方ですが、若いニュアンスも拾いやすいため初心者には少しハードルが高め。
ポテンシャルを見極めるならストレート、満足度を求めるなら加水系が適している印象です。
●トワイスアップ

トワイスアップは香りの広がりが最も整い、全体のバランスが突出して良くなる飲み方です。
アロマは青リンゴやマスカットのような瑞々しさが一段と際立ち、ストレートでは感じ取りづらかった繊細な甘みやフローラルが鮮明に。
フレーバーはみずみずしい果実の甘酸が心地よく、余韻にかけて穏やかな甘みが続く透明感のある仕上がりです。
他の飲み方と比べると、香りの層がもっとも立体的で、若い原酒感を適度に抑えつつ素材の良さだけを引き出す点が魅力。
ハイボールの爽快さやロックの重厚感とは異なり、最も“香りで飲む”スタイルといえ、初心者から愛好家まで幅広くおすすめできます。
●オン・ザ・ロック

ロックにすると温度が下がることで雑味が抑えられ、香りは青リンゴ・レモン・ブドウを盛り合わせたフルーツ前菜のようなすっきりとした印象に。
ミントや白い花が涼やかに重なり、バタークッキーのような焼き香が奥行きを生みます。
フレーバーはフルーツコンポートを思わせる段階的な広がりが特徴で、樽由来のほろ苦さが味を引き締め、余韻にアンズとレモンの甘酸が心地よく残ります。
他の飲み方と比べると、甘味・酸味・苦味のバランスが際立ち、食中で使いやすい構成。
ストレートより雑味が減り、ハイボールより香りが深く、トワイスアップより凛とした緊張感が残る“多彩なシーンで楽しめる飲み方”です。
●ハイボール

ハイボールはSOGAINIのポテンシャルが最も素直に引き出される飲み方で、全体の調和が非常に美しい一杯になります。
アロマは青リンゴとレモンの軽やかな果実香に、白い花が上品さを添え、飲む前から完成度の高さが伝わる構成。
フレーバーはモルトの旨味を軸に、レモンピールや芝草の青さ、ヘザーやフローラルの香味が層を成し、バニラと蜂蜜が柔らかさを演出します。
わずかなピートが味を引き締め、後味には軽快な果実の余韻がすっと残ります。
他の飲み方と比べて飲み疲れしにくく、香り・味わい・キレのバランスが最も整うため、日常で楽しむなら最有力のスタイルです。
●水割り

水割りにすると香りのレイヤーが柔らかく溶け合い、所感としては最も“滑らかで繊細”な印象に。
アロマはレモン・アンズ・梅の酸味を中心に、バニラとハチミツがソースのように全体を包み込み、白い花がハーブのようなアクセントとして機能します。
フレーバーはモルトの旨味を土台に、青リンゴの酸味、ブドウの甘味、ミントやクローブのスパイスが段階的に展開し、食中・食後どちらにも寄り添いやすい構成。
他の飲み方と比べると滑らかさは随一で、ストレートより優しく、ハイボールより風味が濃く、ロックより果実味が丸い“万能型の飲み方”です。
●お湯割り

お湯割りにすると温度によって香りが大きく開き、最もリラックス感のある飲み方に変化します。
アロマはモルトの甘みを中心に、レモンやアンズ、木材、白い花が重なり、香りの層が深く立体的に。
フレーバーはビワ・梅・黄桃・梨など果実味が豊かに広がり、蜂蜜やコンポートの甘さが温度で一層際立ちます。
後半には緑茶のようなほろ苦さが現れ、甘味との対比が心地よい立体感を生みます。
他の飲み方と比べると香味の“開き方”が最も大きく、寒い季節や食後の一杯として最適。
ストレートの鋭さが消え、ハイボールの軽さとも異なる、奥行きのある仕上がりです。
まとめ
本記事では、SOGAINI(ソガイニ)の特徴から味わい、そして飲み方による変化まで、料理人としての視点を交えて詳しくレビューしました。
海と山、ふたつの異なる熟成環境が生み出す奥行きは、2,000円台という価格帯では驚くほど複雑で、デイリーウイスキーとして非常に優秀な一本です。
若い原酒らしい粗さや軽さはあるものの、それを上回るフルーティさと軽快さが魅力で、ハイボールや加水では香りが見事に開き、ロックでは果実と樽香の立体感が際立ちます。
どの飲み方にもそれぞれの表情があり、シーンや料理との相性で楽しみ方の幅が広がるウイスキーです。
気軽に飲めて満足度も高い、まさに“そがいに!?”と感じるコストパフォーマンスの良さを持った一本と言えるでしょう。



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